目次
次の職場までのマインドセットとして自己理解をしたかった
———まずは伊藤さんについて教えて下さい。
「いとうわかな」といいます。東京在住の27歳です。
今年の春から新しい職場へ転職し、主に”サービスデザイナー“の仕事をしています。
具体的には、サービス提供におけるすべての顧客体験の改善・向上に向けたクライアント支援を実施しています。
それまでのキャリアでいうと、1社目はアパレルスタッフとして働き、その後、営業代行の会社へ転職し、約5年4カ月、顧客の名刺を持って代わりに営業活動をしたり、売り方のコンサルティングを実施したりしていました。
現職はサービスデザインですが、前職ではセールスデザインの仕事をしていたと言えますね。
———伊藤さんの場合、既に転職も決定しているタイミングでの受講だったと思いますが、どうして、らしさMeetsに参加しようと思われたのですか?
「次の職場までのマインドセット」として最適だと思ったのが一番の理由です。
5年以上務めた職場を離れるタイミングで、自分の強みや弱みを自覚した方が次の職場でも力を発揮しやすいと思っていました。
もう一つは、私は将来の夢だったり明確な目標だったりがないので、例えば、幼い頃に「幼稚園の先生になりたい!」といっていたように、具体的な目標を明確にしたいと思って参加しました。
らしさMeetsに参加して、自己理解を深め、未来像も明確に持つことによって、今回の転職以降のキャリアについても自分の中で明らかにしていけるのではないかなという期待がありました。
———お聞きしていると、伊藤さんの参加理由は凄くポジティブですね。
全くネガティブな要素はありませんでした。もっと今の自分・未来の自分を具体的にしていきたいという、シンプルにそういった想いで受講しました。
———ちなみに、強みや弱みを明確にしたいというお話がありましたが、受講前はどれくらいの粒度で自己分析されていたのですか?
強みについては、「誰もが苦しく、限界と感じるような場面でも絶対に諦めない力」と認識しており、弱みについては、「感情の起伏が激しく、外部環境にも影響されやすく自分でコントロールできないこと」と捉えていました。
弱みだと思っていたけれど、それも強みであり個性だったんだ
———先程お聞きした回答からも、伊藤さんは強みや弱みを元々把握されていたように感じましたが、受講した後、何か変化はありましたか?
自己肯定感が高まったように思います。弱みとして捉えていた感情の起伏の激しさも悪いことではなくて「個性」だと、思えるようになりました。
それがあることでしかわからない人の気持ちなどもあるなと。それに、そういう人もいる方が世界は楽しいと思えたんですよね。
ある意味、弱みだと思っていたことも私の個性であって、それも強みだと捉えられるようになりました。
———その他にも気づきや変化ってありましたか?
大きな変化でいうと、自分の個性を深く理解し、それを受容できた点だと感じています。
Day2のMBTIのときに思考のタイプを学んだことによって、自分のタイプを的確に認識し、そして、そういうタイプって居てもいいと認められた印象でした。
具体的なイメージとしては、自分の部屋を見つけた感覚です。
そもそも、色んな人のタイプの部屋があって、でも、元々の私は様々なタイプの部屋がある事も知らず、大勢の中のただ一人で、同じような人もいるかどうかも知らない状態でした。
ただ、MBTIを受けて、「伊藤さんは103号室ね」と言われて部屋を開けてみたら、すごく自分の心地いい部屋が目の前にあって、しかも、そこに同じ感覚をもった仲間もいて安心感があったのです。
元々、「この人苦手だな・・」と、自分のタイプと異なる人に対して抱いていた感情は、MBTIを通して、ただ部屋が違っただけの事だと理解できました。
つまりは、その人と居心地のいい基準が違うだけであって、違うことは普通だし、違いを楽しむ方にいけばいいと思えるようになりました。
———MBTIで自己理解、そして他者への理解も深められたのですね。
そうですね。MBTIの受講で大きな発見を得られたように感じました。
また、毎週提出していた週報からも私には気付きがありました。
1期は10名の方々が参加していて、皆さんが提出する週報を見ながら、その中の項目に挙がっていた「強み」を見たときに、自分しか持っていない強みがあると気づいたのです。
きっと似たようなものを書いている人がいるだろうなと思っていたのですが、蓋を開けてみるとそんなことなくて。
それによって自分らしい強みがあると認識でき、自信につながりました。
決して揺るがない、私のよりどころがコアステートメント
———強み弱みの自己理解と併せて、将来のビジョンも明確に持ちたいと仰っていましたが、その点はどうでしたか?
夢や目標は、職業ベースで見つかるということには至りませんでしたが、そもそも、職業で明確にしなくていいということを発見できました。
それは、私が職種として何者になったとしても、決して揺るがない自分の軸が明確にできたからです。
例えば、急に親が倒れたとか、会社が潰れたとか、予期せぬことが起きる可能性ってあると思うのですが、そうすると「絶対に今の職場でこの仕事を続けていく」と決めていても保証できないわけですよね。
でも、自分が絶対に大事にしたい価値観の軸をもてたことによって、親の介護をしながらでも突然会社が変わることになったとしても、その軸を基に選択をしていけさえすれば、自分らしく、自分が納得できる生き方ができると思ったのです。
何と呼ばれたとしても、それは私であると言える自信が湧き、生きやすくなったなと。
そういう状態をつくれたことが心の安心につながったと思いますし、私のよりどころになりました。
それが、Day1の1on1らしさセッションを経て見つかったコアステートメントの「私は、色んな人生を楽しんでいるキラキラした人です。」というものです。
ちょっと迷った時などに、自分って本当はどうしたいんだっけと、行きつく場所がこのコアステートメントだと感じています。
言い返せなかった自分から、躊躇なく意思決定できる自分になった
———価値観だけでなく、生き方そのものにも変化が生まれたと耳にしましたが?
実は、今回のらしさMeetsの体験を経て、現職での仕事がスタートし、「多拠点生活」をしていきたい気持ちが明確になりました。
きっと、らしさMeetsを受ける前の私だったら、多拠点生活の実現が確実になる状態にまで固めきった上で上司に相談していたと思うのですが、今の私は入社から僅か2週間程のタイミングで、上司に「多拠点生活を考えています!」と、相談しました。
以前のような不安や心配がなくなったからこそ、躊躇なく意思決定できるようになったのだと思います。
今回の多拠点生活に関する意思決定もそうですが、自己認識として「強くなった」と感じています。
これまで、家族や周りの人から、私の生き方やライフプラン、身なりなどについて「こうすべきだ」とか、「こうした方がいい」と言われる場面が多々あり、そのたびに私は、その場しのぎで「そうだよね」と話を合わせて終わらせようとしていました。
しかし、今の私は自分の意思を持ち、自分の幸せに自分で意思決定をしているので、相手から押し付けられた常識やあるべき論に対して、「私はそうは思わない」と、ハッキリと言えるようになり、その状況に余裕をもって対峙できるようになりました。
前までの自分は、言い返すほど、自分の人生に意思がなかったのだと思います。
———その他にも、伊藤さんの中で起きた変化ってありますか?
音とか目の前のものがクリアになった感覚を持っています。
例えるなら、少女漫画で主人公が恋した瞬間に世界がキラキラ~と煌めき出すあのイメージですね(笑)あれが心にある。
一時的ではなく常にときめきをもって、機嫌よくいれるからずっとその状態でいれる感じなのです。
というのも、実は全てのモノが元々輝いているはずだから。
既に輝いているのに、自分の状態で暗く見えたりくすんでみえたりするものだと思っていて。それって勿体ないですよね?
本来キラキラしてそこにあるのに、気づかないようにとか見ないようにとか、自分の色眼鏡で悪く見えたりとか、、
そういったフィルターをとって気持ちのいい自分で見えるようになる。そんな感覚を持てています。
これって、根本のわきあがっていく部分というか、私の土台を磨けたのだと思うのです。土が綺麗だと美味しい作物ができるじゃないですか?
土壌が整えば、今まで悩まなくて良いのに悩んでいたようなことも出てこないですし。そこに執着する意味がないとわかる。そもそも気にしないし、気が付かないようになりますね。
驚きと発見が続いて、自分でもびっくり!
———Day1の1on1らしさセッションはいかがでしたか?
不思議な時間でした。これまでカウンセリングは受けたことはなかったですが、そういうイメージです。
自分の中にある良いものも悪いものも、不要なものも一旦全て出してみましょうと。
そうして全て出したことで、自分らしいものが見つかったように思います。
あと、自分がどういったものを気にしているだとか、そうしたものも理解できる時間でしたね。
———Day2のMBTIはかなり実りあるお時間だったようですが、Day3のアートセッションはいかがでしたか?
アートを初めて見たときから、私らしさを感じて、色合いや形、雰囲気も身近に感じられるもので、凄く嬉しかったです。
絵に対する意味づけとか解釈って言葉にするのは苦労するものだと思いますが、なぜか自分の絵を説明するとなったら、すごくスラスラ説明できる自分がいました。
初めて見る絵のはずなのに、説明できる自分がいることに驚いた時間でした。
———最後は1on1セッションかと思いますが、どんな体験でしたか?
答え合わせの時間というのがしっくりきます。まさに、最初の参加目的としていた2-3年後の具体的な未来を言語化するのがちょっとできました。
それを出してみようと思ったときに意外とすっと出て、自分でもびっくりしました。
その内容が多拠点生活に関するものだったのですが、仕事や家族の事ではなく、生活の仕方のことを具体的に語っている自分がいて、自分でも自分に対して意外だなと(笑)そんな新たな発見もある時間でした。
「自分に自信がない人」へ、らしさMeetsをお勧めしたい
———らしさMeetsを終えて、どんな人にお勧めしたいですか?
「自分に自信がないです」っていう人ですかね。そういう方にはお勧めしたいです。
あとは、私のように「2-3年後や将来の目標を立てなきゃいけない」と思っている人ですね。
自信のない人ってなんとなくでその感情を抱いていて、そもそも自分に向き合ったことがなかったり、なんで自信がないかも分からないままであったり。
らしさMeetsを受けると、自分の能力や特徴に自覚を持ち、自分がこの世界に必要な人間なのだと確信でき、安心すると思います。
———では、是非、そんな方々の背中を押す一言をお願いします。
何者になるかが重要なことではなくて、もうすでに何者かであるんです。
それを大切にしていくことが一番幸せになる近道だと思います。
大体のものは持っているので、それに気づくかどうかで人生が変わると思います。
ちなみに、らしさMeetsを受けなくても、そもそもすべての人の人生は素晴らしいものであることは間違いないと思います。
ですが、どうせなら、素晴らしい人生だと“気づいた上で人生を過ごしたい”と、思いませんか?
らしさMeetsは、その気づくきっかけになる機会だったと思います。
私自身、ここ最近で一番いい投資だったと思える体験だったので、自信をもってお勧めしたいですね。
(インタビュー・文章:神部 弥幸)